先日、鳥羽の街角で出会った一軒の建物。
石造の重厚な佇まい。
銅製と思われる扉には、時間をかけて緑青が浮き、錆びた金具がなおその役目を果たしている。
上部にある小さな窓にも、同じような金属製の戸がつけられ、そこには何年、何十年もの風雨をしのいできた記憶が刻まれていました。
正面にあるのは、わずかな庇と石段。
庇の下には、古い布袋がひとつ。
これがあることで、人がここに出入りしていた温度を感じさせてくれます。
現代の建築には、効率や性能といった数値では測れる価値が求められがちですが、
この建物には、そうしたものを超えた「手仕事の温度」と「時の重なり」が確かに息づいています。
ただ残されているだけでなく、「暮らしの気配」がある。
外壁に刻まれたパターンは、石を積むときのノミの跡でしょうか。
均質ではないけれど、それがかえって温かく、人の手で造られたという実感を与えてくれます。
造るというより「育てた」と言いたくなる、そんな佇まい。
今の時代にこうした石造倉庫を建てることは、コスト面でも技術面でも難しいかもしれません。
けれど私たちが住宅を設計する中で目指しているのは、こうした「時を超えて愛される建物」です。
『飾らない住宅』
ずっと昔からその家に
暮らしていたような
快適で居心地のいい住まい
その空間にいて
何も違和感を感じることなく
自然体で暮らせる
そんな家造りを
していきたいと
私たちは考えております。
新築工事・店舗工事・リフォーム工事・パース・店舗デザインは
三重県伊勢市にあるkyoyu×casa design office まで
株式会社 共結
三重県伊勢市佐八町1666-8
TEL 0596-39-8008 FAX 0596-39-0123
お問い合わせはこちらをクリック!!
建築には、言葉が必要だと思う。
図面や模型、スケッチや写真だけでは掬いきれない
「なぜ、こうしたのか」「どう暮らしてほしいのか」という
設計者の静かな願いは、時に文章や空間の“余白”の中に息づいている。
このたび、共結のアトリエの一角に
「小さな小さな建築図書館」をひっそりと設けました。
そこは、壁一枚の向こうに広がる、
まるで心の温度がひとつ下がるような、静けさの漂う場所。
扉はありません。
けれど、思い思いの時間に、ふらりと入っていただけます。
選んだ本は建築だけではありません。
民藝、住まい、素材、風景、思想……
人の手で育まれ、時と共に味わい深くなるものたち。
そんな本が、ぽつりぽつりと並んでいます。
ページをめくるたびに感じる紙の手触り、
窓から射し込む自然光が落とす陰影、
本の隙間から覗く風景。
まるで一つの住まいのように、
この小さな空間もまた「心地よさ」を大切に設計しました。
特別なことは、なにひとつありません。
ただ、本を読む。静かに考える。思い出す。何かをつなげてみる。
私たちがつくる住宅もまた、
こうした「余白」や「静けさ」を大切にしています。
住まう人が、何かを考えたり、ふと手を止めたり、
そんな時間を自然と持てる家を目指しているからです。
建築とは、生き方であり、暮らし方であり、
そして、誰かの想いが静かに宿るもの。
この小さな図書館が、
誰かの暮らしのヒントとなるような
そっと寄り添う場所になれたら、嬉しく思います。
『飾らない住宅』
ずっと昔からその家に
暮らしていたような
快適で居心地のいい住まい
その空間にいて
何も違和感を感じることなく
自然体で暮らせる
そんな家造りを
していきたいと
私たちは考えております。
新築工事・店舗工事・リフォーム工事・パース・店舗デザインは
三重県伊勢市にあるkyoyu×casa design office まで
株式会社 共結
三重県伊勢市佐八町1666-8
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